旧ではなく、跡地でもなく


間もなく解体、門脇小の全景(河北新報)
石巻市の震災遺構、門脇小学校の校舎は両端を約20mずつ解体した形で保存することになっていて、11月5日から工事が始まります。
校舎全体を見ることができるのは今日(4日)まで?ということで、見納めにと、たくさん人が訪れていました。ずっとシートに覆われていたので20日ほどの「公開?」でした。
遺構の計画を、この姿を見ながら進めればよかったなぁと多くの人が思ったはずです。
私たちはやっぱり想像力が足りませんね。シートの中身も、たった数年後の未来もイメージできませんでした。

今後、建物は整備工事が進みますが、その維持管理以上に、伝承の中身、担い手をどうしていくかが問われています。
南浜地区には大きな祈念公園もできます。
門小も含んだ地域一帯で伝承のコンセプトが必要だと思います。
今、門脇小の周りは一面墓地になっていますが、土地利用計画ってこれでよかったのかな?と今更ですが心配しています。

門脇小のすぐ近くに日和幼稚園の慰霊碑があり、私もよく立ち寄ります。
きっと訪れた誰もが「忘れてはいけない」と心に刻む場所です。
そして、優しい想いに包まれる場所です。
除幕式の様子

これから大川小の整備も進みますが、大事なのは伝承の中身です。
各地の遺構や伝承活動を十分参考にし、かつネットワークを作り連携しながら検討をしていきたいと考え、活動・発信を続けてきました。

急ぐ必要はありません。ほんとうに大切な伝承は30年後40年後、あるいはもっと先のことです。リアルタイムで見聞きした次の世代にどう伝えるかです。
一方で、速やかな対応も必要です。再三お願いしている、内部のメンテナンス、排水、駐車場、バリアフリー、トイレ…。
次世代に伝える前にボロボロになったり、事故が起きては困ります。
現地に来た方はご存じかと思いますが、国内外から連日多くの人が訪れるのにも関わらず、小さな仮設トイレが男女一つずつあるだけです。休みの日などは何千人も訪れることがあります。その場所に…。
たいへん申し訳なく思います。特に海外から来てくださった方にとても不便をおかけしています。

※事前にトイレ休憩を!強くお願いします。



小さな仮設トイレ

雨が降るとこうなります

工事車両も多く、誘導も大変です