9度目の3月

3月はいつもザワザワしています。

今年の3月11日の校庭は、風が強く、
定点観測のように多くのメディアが大川小を取り上げます。

今年は、じっくり取材した上で時間をかけて作る記事や番組が増えました。(そうじゃない場合もありますが)内容も多様化しています。受け取り方も様々です。
メディアがきっかになり、より広がり、深まることを願います。

3月はただでさえ、1年間の思い出と、新しい学年に進む期待と不安で、さみしいようなワクワクするような気持になるものです。
突然、長い春休みに入った今年は、卒業式や修了式がいつも通り行えないという話をよく耳にします。
胸がザワザワします。 あの日は卒業式一週間前でした。

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9度目の3月11日は、例年のような慰霊祭という形はとらないことになりました。そのためか、朝から夕方まで手を合わせにくる人が絶えませんでした。
やっぱり今年も、サイレンが鳴ってから、51分間校庭にいました。
つららができたほど寒く、雪がちらついてきたあの日を思います。

よく晴れた空を雲がどんどん流れ、
中庭から誰かが飛ばした風船が、するりと屋根をかすめて昇っていきました。

3月に入り、研修で大川小を訪れた小学校の先生から手紙が来ました。
大川小を題材にした道徳の授業を行ったと。
子どもたちが一生懸命話し合っていたと。

3月11日、校庭で大学生に声をかけられ、手紙を手渡されました。
4月から小学校の先生になります。その前にどうしてもここに来たかった、と話していました。

「未来を拓く」は校歌のタイトルで、開校以来大川小のキャッチフレーズみたいなもの。
ここから拓く未来は、あの日の出来事から目を反らすことではなく、向き合ったその先に見えてきます。

5年間何百回も通い、校舎の掃除、草刈り、花植等の作業を続けてくださった茨城のボランティアバスが、遺構の整備工事が始まるということで、3月いっぱいで活動を終えました。

延べ1万人が作業に参加したそうです。

茨城ボラバスをはじめとしたボランティアの方々のおかげで、行く度に学校がきれいになっています。